あーだこーだと言いながら、生徒会室にも行って挨拶を済ませて、洋直ちゃんと連絡先を交換して…よくよく考えたら濃厚な1日を終える。
寮に帰った時は流れ作業のようのご飯食べてお風呂入って、ベッドにダイブしてそのまま寝ていた。
そして、案の定起きたら遅刻とか思いきや、ドアをドンドン叩かれて目を覚ました。
一応1人部屋だからいいものの…。
「唐堂さん唐堂さん!」
「どーしたの?朝っぱらから」
部屋のドアを開けたら、制服をキッチリと着こなしている同じ寮生の子は「ちょっと早く顔を洗って、着替えてほら早く!」ともう一度部屋に入れられる。
「何なのもう…」
ドアの外からでも「早くしてね!」と念押しされて、観念しながら支度した。
で、ちょっぱやで支度をさせられて、押されるがまま男女兼用の談話室に行ったところ。
窓辺で佇む男の前に連れて来られた。
全ての均衡が完璧に整えられた男の醸し出すアンニュイな空気に、声を掛けられず私も彼女も立ち尽くす。
ふいに外を見つめていた男の、天條君の視線が私達に向けられた。
ビクンと目の前に立っていた寮生の子が、思い出したかの様に起動する。
「つ、連れて来ました!」
「…助かった」
自分の役目を終えた寮生は、きゃーと言いながら自分の友人達の輪に戻っていく。



