過つは彼の性、許すは我の心 壱


「私ってそのミケ?だっけ?にするって決めたのも、妃帥ちゃんにとっては突発的に決めたことっぽいし、私の扱いについて考える必要があると思うから、洋直ちゃんにまで考えが及ばないんじゃないかな」

「考えるって、」

「君は妃帥ちゃんのこと、我が儘暴君ブラコン妹って思っているかもしれないけど、人のことをよく見ているし、強かなタイプだと思うよ」

「…」

「洋直ちゃんのことだって、君に1番ダメージが行く方法を考えた結果じゃない?実際そうだった訳だし、そもそも君なんで自分が妃帥ちゃんの不況を買ったのか分かっているの?」

「それは…」


 烈が話し始めたのは、獅帥に入れ込んだ男のこと。

 獅帥を傷つけたその男は烈の親戚で、周りからの評判も良く、勤勉家。

 無論烈の親戚ともあって、家柄もよく婚約者までいた。

 その男が烈の紹介で、獅帥と出会い、惹かれ、愛されていると錯覚し、違っていたことに絶望。

 そして、


「獅帥を殺そうとした、まあ未遂だったけど…その後妃帥と喧嘩になって、そっから誰にも姿見せなくなって、急に顔を見せに来たと思ったら、」


 あの獅帥の私室に洋直を伴って現れたと。

 私やマサ達からすれば、烈の紹介だったというのは知らなかった情報だけど…。