一個下とはいえ私たちにですら強気な態度を崩さなかった烈の姿に、他の人まで目を丸くしている。
「洋直ちゃんのこと助けたい?」
「…」
烈の視線がふと綴に合う。
「もし私の言うこと聞けるなら、私も妃帥ちゃんに掛け合う」
「…!」
綴の言葉に嘘はなさそうに見える、が。
「ちょっと待って」
待ったをかけたのは、マサ。
「どうしました?えーと」
「火ノ宮正照ね。君と同じクラスの」
「ああ…そう」
露骨に興味無さそうな綴に、若干口角がピクつくマサ。
あんなに妃帥にはキャーキャーしてたのに…。
容姿だけ言えばキャーキャー言われる側なのにぞんざいな扱い受けるなんて今までなかったマサは、取り敢えずごほんと咳払いして、
「助けるってどうやって?」
「と、言いますと?」
「あの女が、一応ミケ…お気に入り如きの言うこと聞くとは思えないけど」
私も心の中でマサに同意する。
先程妃帥のことを止められたのは、普段の妃帥を知っていれば奇跡に近い。
妃帥を止めるなんて、無茶もいいとこ。
一体どんな手を使ってなんて思っていたら、
「…助けるなんて言っちゃったけど妃帥ちゃんはもう、洋直ちゃんには何もしないと思うよ」
「は?」
「ちょ、ちょっと待って」
呆けたマサの横から、楽が思わずといった感じに会話に入り込む。



