過つは彼の性、許すは我の心 壱


 尊大過ぎる物言いに洋直から出る言葉は拒否ではなく、受諾。


 あの瞳に見つめられて、

 あの唇から命令されて、

 あの指先に触られて、


 受け入れるなと言うのが困難。

 きっと私なら跪いてしまう。

 あの子が羨ましい、憎い。

 男達が新しい玩具を手に入れて喜ぶのを尻目に、醜い感情を只管押し殺す。

 ああ、愚かな女。

 指を咥えて、獅帥に口付けられる洋直に嫉妬する大馬鹿者。

 あの時ただただ嫉妬に狂って見えてなかったけど、まさかそういう事情があったと言うの?


「安心して。言わないから」

「…」

「烈の為なら尚更、とか言いかねないしね」


 意識が烈と綴の会話に戻る。

 綴の言葉に烈の先程の勢いは無くなっていて、綴の言葉が真実であると物語っていた。


「君なりに洋直ちゃん守ろうとしたんだろうけど、どうせ上手くいかなくって、他の人と同じ扱いしちゃったんでしょ?」

「…っ」

「大馬鹿だねえ」


 綴は呆れた表情で烈を見つめる。


「洋直ちゃんのあの自信無さげな態度も、どうせ小さな頃から君が人格否定しまくった結果なんでしょ?」


「…」

「もうなんかねえ君は…もう少し態度改めたら?こんなじゃあ物理的に助けても、精神が助けられなきゃ意味ないよ」


 烈はぐうの音も出ないようで、深く項垂れている。

 あんな烈見るの初めてかも。