過つは彼の性、許すは我の心 壱


 着物の少女の言葉に男は柳眉を顰める。


「摘み具合ねえ…その摘み具合相手を悉く潰して来た奴が言うセリフ?」

「便乗してそこの売女をおもちゃにして楽しむ、ここにいる男達に言われたくないわ」

「おもちゃじゃないよ、可愛がってるんだって」

「ペットみたいに、でしょ」


 美少年と美丈夫相手に辛辣に返す着物の少女。

 話の内容に覚えがあった。


 フレア。


『でもさ、フレアが女の子囲うなんて、それって』

『ご奉仕係、だね』

『フレアって1人の女の子を囲うことよくあるけど、確かその子って中等部からだから、今日で2ヶ月でしょ?最長記録じゃん』


 モサイさんが囲われている女の子で、囲んでいるのがカズミさん除くここにいる男達ってことか。

 そして、部長の恋人とされていた姉小路先輩が強行に走った原因が。


「いつものお兄様の悪い癖じゃない。ね?獅帥お兄様」


 天條獅帥。


 男の顔をまじまじと見つめる。

 よく見たら着物の少女にそっくり。

 怜悧さが加わった顔貌は、私と妃帥ちゃんを見下ろしている。正直何考えているのか分からないからちょっとこわ。


「綴ちゃん、だよね?」


 私が天條獅帥の顔を見ていれば、チャラ男が横から語りかけて来る。


「そこのアンタが可愛いって言っている女は、悪魔みたいな女なんだよ」

「獅帥が手を出す女にトラウマがつくほどのことしては、惨めに捨てさせる。性格の悪さならこの中でダントツ」

「天條でも厄介者、いない者扱いの女。そんな女に俺らがどれだけ振り回されてきたことか。アンタ、それでもこの女が可愛いとか抜かせるのカァ?」

「綴、付き合いは考えた方がいいわ」