過つは彼の性、許すは我の心 壱



 気付けば天條兄妹と圭三郎さんに、(生)暖かい目でカズミさんと私のやりとりを見守られていた。

 巫山戯過ぎたかと、少し居住いを正す。


「か、カズミさんいい加減私を信用してしてもらってもい、」


 いいですかね、とカズミさんに言い掛けて言葉が止まった。

 丁度視線を向けた窓の外。

 上階から青色が、ヒラヒラ。

 ほんの1時間も満たないぐらい前に、見た着物が。

 鳥兜が。

 女が。


ーーードスンッと言う音が、木々の折れる音と共に、館に響いた。


「きゃあああああああ!!?」


 誰かの悲鳴が聞こえる。

 え、何今の、え。

 いやそんな筈。


「誰か!」

「医者を呼んできてくれ!」


 圭三郎さんは慌てて部屋から出て行き、声の方に向かっていく。

 獅帥君や妃帥ちゃんも難しい顔をしていて、不安に胸がざわつきながら、取り敢えず圭三郎さんに着いて行く形で、騒ぎの中心へと私達も向かった。


「離れて下さい!」

「お帰りは此方となります!」
 

 着いた先は見晴らしの良い庭で、天條家に仕えるガードマンや使用人が、大勢の招待客を誘導したり、輪の中心が見えない様に囲ったりしていた。


「皆さん退いてください!医者です!通ります!」


 声を張り上げながら、騒ぎの中心に圭三郎さんが入り込んで行く。


「…大騒ぎね」

「…」