「獅帥様!私です貴方の、」
「誰かは知らないが、早々にこの家から出て行ってくれないか」
冗談…じゃないよね。
女の必死の訴えは獅帥君には何も響いている様に見えず、獅帥君は扉の方に視線を向けた。
すると、ドタバタと音が聞こえ、執事服の壮年の男と他数名の使用人が入り込んで来る。
「獅帥様、お急ぎの用事と聞いて!」
「すまない医師を呼んで欲しいのと…警備員を呼んで来てくれないか。不審者が入り込んでいる」
「不審者ですか一体どちらに」
獅帥君はスイっと視線を女に合わせた。
視線を向けられた女は大慌ててで否定した。
「獅帥様!私です!天女目の!」
「天女目からは何も聞いていない。綴に危害を加えようとした、危険人物だ」
「えと…」
執事服の人は困った様に獅帥君と女を交互に見ていたが、獅帥君にもう一度目を合わせた瞬間、ビシリと居住まいを正す。
「急ぎ連れ出します」
「獅帥様!」
「おい!急げ!」
執事服の人の号令に、使用人が暴れる女を取り押さえる。
何が何だかサッパリで、ずっと目が点になっている。
「どうしてこんな事をなさるんですか!貴方の為に私は!」
「 見知らぬ女に妃帥を不良品だの、傍にいるしか脳のない愚物だの言われて非常に不愉快だ。もしかして妃帥にも危害を加えるつもりかもしれない、徹底的に調べてくれ、必要なら警察沙汰にしても構わない」



