獅帥君が部屋から一旦退出したのを確認して、息をハーッと吐き出す。
背凭れに寄りかかる様に、目を瞑る。
渚君にも、獅帥君にも迷惑を掛けちゃった。
部屋を離れたお陰で息苦しさも、気持ち悪さも良くはなったけれど、まだ何かが胸の辺りでぐるぐるしている気がする。
ーーー当時。
幼馴染の仲が上手くいっていると思ったあの頃。
私は彼女に 虐められた事があった。
学校の一部の人達の中で、憧れの彼女に付き纏うお邪魔虫扱いの私は、虐めの標的にされていた時があった。
そして理由は分からなかったが、あの子は私を標的にしていたグループと一緒になって私を虐め始めた。
意味が分からなかったし、実際に聞いてみたけれどハッキリとは教えてくれる事はなかった。
ただその時は、幼馴染以外の友達が助けてくれたおかげで、早々に標的から外れて事なきを得たんだけれどーーーそれ以来2人に近づこうとは思えなかった。
所詮凡人の私と、特別な彼等。
境界が元々あって、それが中学に上がった時により明確になった。
それだけだと思っていた。
けれど。
徐々にあの子も彼も学校に来る事が少なくなり、それでも時々見る彼は、憔悴している様にしか見えなかった。
気にはなってはいた。
ただキッカケが無かったから、様子を見るに留まっていたんだけれど、ある日彼の部活友達から、どうか彼を説得してくれないかと言われた。
戸惑いもあった。



