「帰って来たんだな」
「そうなんだよ〜仕事覚えろって海外で親父に連れ回されまくってさ。大変だし疲れたあ。あ、でも向こうの女と沢山知り合えたし、後で獅帥にも教えてやるよ」
「別にいい」
「何言っているんだよ獅帥。俺とお前の仲だろう?そう言えば、最近アッチ行ってないんだってな。女達泣いてたぞ〜」
獅帥君と天ヶ衣さんは話を続けていく2人を見つつ、ああそうだったと思い出す。
『カス』
『カスじゃなくって』
『…すっごくチャラい感じですね』
『木野島君より?』
『木野島先輩はチャラそうに見えるだけですけど、アマガイ先輩はあの、チャラいんです』
とも言っていたから、確実にこの人だわ。(納得のチャラさ)
「て言うか、綴ちゃんやっぱり見たことあるんだよねえ」
天ヶ衣さんは獅帥君との会話を切り上げて、私をまじまじと見つめる。
「…ごめんなさい私は覚えがなくって」
ここまでお手本のチャラ男いたら絶対に覚えていると思うし。
「学校とかではなく?」
「いや学校じゃないんだよなあ、何処だっけえ」
同じ学校だったのかこの人。
天ヶ衣って天條の分家?にあたる人達のことだよね確か。
『天ヶ衣は他の五曜家や外部の調整役やな』
って言うから、これからもこの人と付き合っていくのか。



