過つは彼の性、許すは我の心 壱



「帰って来たんだな」

「そうなんだよ〜仕事覚えろって海外で親父に連れ回されまくってさ。大変だし疲れたあ。あ、でも向こうの女と沢山知り合えたし、後で獅帥にも教えてやるよ」

「別にいい」

「何言っているんだよ獅帥。俺とお前の仲だろう?そう言えば、最近アッチ行ってないんだってな。女達泣いてたぞ〜」


 獅帥君と天ヶ衣さんは話を続けていく2人を見つつ、ああそうだったと思い出す。


『カス』

『カスじゃなくって』

『…すっごくチャラい感じですね』

『木野島君より?』

『木野島先輩はチャラそうに見えるだけですけど、アマガイ先輩はあの、チャラいんです』


 とも言っていたから、確実にこの人だわ。(納得のチャラさ)


「て言うか、綴ちゃんやっぱり見たことあるんだよねえ」


 天ヶ衣さんは獅帥君との会話を切り上げて、私をまじまじと見つめる。


「…ごめんなさい私は覚えがなくって」


 ここまでお手本のチャラ男いたら絶対に覚えていると思うし。


「学校とかではなく?」

「いや学校じゃないんだよなあ、何処だっけえ」


 同じ学校だったのかこの人。

 天ヶ衣って天條の分家?にあたる人達のことだよね確か。


『天ヶ衣は他の五曜家や外部の調整役やな』


 って言うから、これからもこの人と付き合っていくのか。