過つは彼の性、許すは我の心 壱

 

 獅帥君の切れ長の瞳が僅かに見開く。

 少しだけ戸惑う雰囲気を感じるが、私はええいこのまま押し切れ!と言う気持ちで言葉を重ねた。


「要は、周囲に獅帥君が特定(・・)の好きなモノを作っている様に見せなきゃ言い訳だ。だったら私と獅帥君だけの秘密にすればその決まりを守るられる、どう?」


 ルールや決まりの穴を突く様な子供じみた考えだが、中々良いんじゃ無いかな?と獅帥君を見る。


「…その好きなモノを作って何になる?」


 戸惑いつつも獅帥君は、一応私の真意を確かめようとしていた。

 好きなモノを作って何になる…か。


「…これは自論なんだけどね。好きなモノを作るって事って、人生を豊かにするって思うの」

「…」

「ああ今日も辛いな。明日もやだなあって思った時に、それを食べるだけで今日も頑張れる!ってなるからさ」

「…」

「あ、食べ物じゃなくても良いんだけど、好きな場所とか、好きなスポーツ、好きな本、んー後は人でも良いと思う」

「…」

「獅帥君だって疲れる事が無い訳じゃないでしょう?どんなに神様…オオミカでも、偶に息抜きしたって良いと思うんだ」

「…」

「だから…」


 駄目だ、何の話しているのか分からなくなった。

 勢いと気持ちは伝わった(いつも私コレだな)と思いたけれど、伺う様に沈黙していた獅帥君を見れば、ボソッと。


「…ご」

「へ」