過つは彼の性、許すは我の心 壱



 人前なのに取り繕う事もせずに、ギュウっと眉を顰める獅帥君。

 むむむ…適切なものの例えが出ないぞ。

 うーんと言っていると、獅帥君が誰に聞かせるまでもなくポツリと。


「そう、言われたから」

「そう言われたから?」


 私が食い付いた事に驚いた様に目を見開く獅帥君。

 そんな驚かないでも。

 でも、気になるワード。獅帥君を知るチャンスかも。


「何て言われたの?」

「…」

「言いたくないならいいけど」


 あんまり聞かない方が良かった感じだったかなと、勇足で獅帥君の事を知ろうとしたけれど、傷つけちゃ意味がな、


「…オオミカは、」

「うん?」


 どうやら獅帥君は教えてくれる気になったらしい。

 ただ聞いた言葉は、


「オオミカは、特定の好きなモノをつくってはならない」

「え」

「それは不平等を生むから」

「…」

「オオミカは妄りに言葉を発してはならない」

「…」

「それは人々へ甚大な影響を与えかねないから」


 思ってもみない言葉で。

 詩を朗読するかの様に語る獅帥君の言葉は、滑らかな低音で、聞きやすく、いつまでも聞いていたくなるものなのに、内容はとてもじゃないが聞き心地の良いものじゃなかった。

 パーティーと言う人の言葉が行き交う場所で、獅帥君の言葉だけが私に響く。

 取り敢えずカクテルパーティー効果ってこう言う事を言うのねと、回転の遅い頭で理解はした。