人前なのに取り繕う事もせずに、ギュウっと眉を顰める獅帥君。
むむむ…適切なものの例えが出ないぞ。
うーんと言っていると、獅帥君が誰に聞かせるまでもなくポツリと。
「そう、言われたから」
「そう言われたから?」
私が食い付いた事に驚いた様に目を見開く獅帥君。
そんな驚かないでも。
でも、気になるワード。獅帥君を知るチャンスかも。
「何て言われたの?」
「…」
「言いたくないならいいけど」
あんまり聞かない方が良かった感じだったかなと、勇足で獅帥君の事を知ろうとしたけれど、傷つけちゃ意味がな、
「…オオミカは、」
「うん?」
どうやら獅帥君は教えてくれる気になったらしい。
ただ聞いた言葉は、
「オオミカは、特定の好きなモノをつくってはならない」
「え」
「それは不平等を生むから」
「…」
「オオミカは妄りに言葉を発してはならない」
「…」
「それは人々へ甚大な影響を与えかねないから」
思ってもみない言葉で。
詩を朗読するかの様に語る獅帥君の言葉は、滑らかな低音で、聞きやすく、いつまでも聞いていたくなるものなのに、内容はとてもじゃないが聞き心地の良いものじゃなかった。
パーティーと言う人の言葉が行き交う場所で、獅帥君の言葉だけが私に響く。
取り敢えずカクテルパーティー効果ってこう言う事を言うのねと、回転の遅い頭で理解はした。



