過つは彼の性、許すは我の心 壱


 初めだけ私の事を話した後は難しい話が始まり、馬鹿を晒さない程度には相槌をうったり、話を振られた私を獅帥君が絶妙なフォローで守り、メッキ剥がれずに済んでいた。


 そう言えばちょっと疲れたな…。


 取り敢えず挨拶ラッシュが終わって、漸く休憩時間。

 昨晩の妃帥ちゃんとのドキドキ就寝時間を思い出して、エナジーチャージしよう。


 そんなお馬鹿な私に獅帥君は「…腹が減ったか?」と気遣いを見せてくれた。


「…ううん大丈夫。ありがとう」

 
 気後れする場所で、獅帥君の優しさに触れてちょっとほのぼの。

 ふふと笑えば、彼は遠くにいたウェイターに視線を送った。

 慌てた様にウェイターが人の波の中に消えたと思ったら、直ぐに戻って来て、獅帥君に盛り付けられたお皿を手渡した。


「ほら食べろ」

「わあありがとう…!」


 タッパーがあれば持ち帰りたいものばっかりのラインナップに、涎が垂れそうになる。いかんいかん涎は我慢せねば。

 受け取ったお皿を手にワクワクしながら、フォークでお肉を突き刺し食す。


 う、うんまい…!


 ジタバタするのを堪えながら獅帥君を見れば、あれ食べてないじゃん。


「獅帥君は?」

「俺はいい」

「お腹空いてないの?」

「減っていない」


 軽く首を振った獅帥君に嘘を言っていない様に見えるけれど…。