過つは彼の性、許すは我の心 壱


 本来なら家族に会う事って、簡単で当たり前に出来る事の筈なのに…。


「つづ、そないな悲しい顔すんなって…そう言う顔させてるのんは俺か」

「ご、ごめん」


 辛いのも悲しいのも凌久君と四葉さんなのに、私が気を遣われちゃ駄目でしょう。
 
 ぶんぶんと頭を振って気分を変えようとすると、凌久君が私に手を伸ばす。


「凌久君?」


 凌久君の手が私の肩に触れたと思ったら、私が軽く羽織っていた薄いカーディガンを、しっかりと掛け直してくれた。

 カーディガンに触れる手は離さずに。


「俺がこないな話をしたのもさ、つづにおおきにって言いたかってん」

「お礼?」

「結果的に四葉に会えた」


 そんな事、


「お礼なんて言う必要ない、何ならもっと私を使っていいよ」


 ドンっと私は拳を握って自分の胸に当てる。

 そんな私を見て少しだけ呆けた凌久君は、暫くして困った様に笑って、理想を語る子供に現実を諭すが如く「…つづは人良すぎるな」と呟いた。


「… 俺はな、四葉に会えた事以外にも、確かめたい事があったさかいここに来たんや」

「それって、」


『そもそも土師も天條を怒らしたことあってな。“月”の一族ほどとちがうけど、干され気味やねん』


 前に言っていた事と関係している?

 問い掛けに頷く凌久君に「天條に干された原因って事?」と更に言葉を続けた。