何か疲れた…。
ご飯の味が分からなかった、あんなに美味しそうだったのに悔しい。
食事を終えて、獅帥君のエスコートで別館へと連れられた私は、妃帥ちゃんのお部屋へと案内された。
そのままお風呂を借りさせてもらったんだけれど、お風呂のお手伝いとして使用人が入ろうとした時は、全力で拒否させてもらった。
それに疲れながら妃帥ちゃんのお部屋へと戻ろうと、ホカホカになりながらドアを開けたら、
「凌久君…」
「よ」
月の光に照らされた凌久君が軽く手を上げて、待っていた。
「…つづは何着ても可愛いな」
「あ、ありがとう」
三日月に瞳を歪ませた凌久君の視線は、今ちと気恥ずかしい。
だって持って来たパジャマがいつの間にかネグリジェにされていて、控えていた使用人にも言ったけれど「妃帥様のご命令ですので」と突っぱねられて、この格好になった。
「湯上がりって何かエロいなあ」
「マジセクハラ、ゼッタイニユルサン」
「怒んなって」
ケラケラ笑う凌久君にぷーと頬を膨らませる今の私は、きっとエロのエの字もない。
て言うか、何でこんな所にと私が視線で訴えれば、
「ーーーちょっと話そう」
そう笑って答えた。
最小限の灯りのみの廊下を2人で歩く。
「お風呂もう入ったの?」
「入った」



