過つは彼の性、許すは我の心 壱

 

 ただ私の危惧とは別に、


「ご両親は?」

「母親は土師の者で、未婚で自分を産んでから行方不明、父親は誰かは聞いていません。今は土師の本家に籍を置いています」


 凌久君の出生に私が動揺した。


「行方不明?」

「はい。物心着いた頃にはいませんでしたね」


 四葉さんとの話で、


『つづ。このおねえ実は伯母で一時一緒に暮らしとってな』

『甥っ子ってこと?』

『そそう』

『私がもう少し若くって、凌久が小さな頃。一緒に暮らしていたんです』


 って聞いていたから、ご両親が海外に転勤になったとかで、四葉さんと暮らしていたのかなあとは思ったが、蓋を開ければ母が誰かも分からぬ男の子を産んで置いて行ったって言う話しで、


『ちゃうけど…まあアイツらかするとそれよりもっと悪いってことなんやろうな』


 凌久君の話から土師家での凌久君の扱いは、決して良いものとは言えなさそうだし、あまりの扱いに四葉さんが凌久君の事を思って、一時的に引き取ったって言う話が妥当か。

 それか、未婚で産まれた凌久君を恥だと思って、土師とは関係の無い四葉さんに育てさせたとかも考えてみてみるが、そう言えば四葉さんは何で今土師じゃなくって天女目姓なんだろう。