「お嬢様…性犯罪者に恩赦等」
「性犯罪者じゃないわ、綴よ綴」
「と、言いますと」
「そういえば忘れていたからお前には話しては無かったわね。ほら綴も立って。カズミの持っている銃はおもちゃよ」
「え、おもちゃなの?」
じゃあ安し、
「アメリカの警察でも採用されている高圧スタンガンだけど、大丈夫よ」
「それ本当に大丈夫なの?」
「唐堂先輩!」
人の輪から外れる様に、よれよれになった男子用の制服を着ている大きな黒縁眼鏡を掛けた男の子が…ってもしや。
「モサイさん?」
スクっと立ち上がった私に、少女モサイさんが私に寄ってくる。
最後会ったのいつだっけ。そういえばお見舞いに来た時ぐらいか。
「ひさび、」
「止まりなさい」
着物の少女の声が私の声を掻き消す。
ピタリ止まるモサイさん。
「お前が綴に近づかないで頂戴。穢らわしい」
「っ」
本当に嫌そうに赤い着物の裾で口元を覆い、冷たい言葉を吐き捨てる。
それにモサイさんの傍にいた男子が「オイ!」と着物の少女を諌めようとツカツカと詰め寄ってくる。
「何だ、テメエ」
何だか守らなきゃと思った。
無意識に着物の少女の前に飛び出てしまっていた。
いや喧嘩得意なんて設定ないんだけど。
茶色に灰色を交えたオールバックワイルドイケメン君が私を睥睨する。
体格の良さと眼光が出す圧は正直怖い。
ぶるりと震える私に、
「何だ随分ショボい シンカンだな」
と、嘲笑うように彼は言った。
シンカン?
「よして」



