過つは彼の性、許すは我の心 壱


「すまんすまん」


 娘に嗜められる父親はよくある家庭の光景なんだけど、うむむ…この違和感なんて言えばいいのか。

 そんな事を考えていたら、


「しかしよく君の祖父母が許してくれたね」

「…祖父母ですか?」


 突然の言葉に思考が途切れる。

 両親ではなく、何でおばあちゃん達なんだ?

 匡獅さんはスッと目を細めて、


「本当によく似ているよ」


 と見定める様な瞳で私を見る。

 そんな瞳で見られる様な覚えが無く、困惑していれば。


「眼差しがお祖父様そっくりだ。決して物言わないのに、私の事を淡々と観察していて、しかも的確だった」

「おじいちゃんですか?」


 しかもおじいちゃん?


 私がちんぷんかんになっていると妃帥ちゃんが「お父様は綴のお祖父様達とお知り合いなの?」と聞いてくれた。


「ああ知り合いだよ。学園にいた時は先輩だった」

「先輩!」


 思わず言葉が飛ぶ出るのは許して欲しい。

 妃帥ちゃんも「仲が良かったの?」と話に食い付いてくれる。私の代わりにどんどん聞いて欲しい。


「そうだなあ…」


 匡獅さんはいつの間にか来ていたオードブルに手を付けながら、難しい顔をしている。


 出た言葉が、


「いや嫌われていた。と言うか軽蔑されていたね」

「…まあどうして?」


 そりゃあ言い辛いねって言葉で。