過つは彼の性、許すは我の心 壱



「初めまして唐堂綴さん。私は天條匡獅てんじょうただし。獅帥と妃帥の父親だ」

 
 この人が妃帥ちゃん達のお父さん…。

 妃帥ちゃん達ののお父さんである匡獅さんは、執事さんに視線を送ると傍で控えていた人達が動き始める。


「は、初めまして唐堂綴です!よろしくお願いします」

「そう緊張しないで、こんな格好で悪いね」


 グラスに注がれた水を一気に飲みふうっと息を吐いた。

 お父さん…なんだよね本当に。

 ちょっと妃帥ちゃん達の年上のお兄さんぐらいにしか見えない。うちのお父さんと一緒にいたら同じ年齢に見られない、絶対。

 後、何だろう匡獅さんて。


「君に会うのは楽しみにしてたんだよ」

「あはは…」


 あんまりにも陽過ぎるって言うか。

 切れ長の薄茶色の瞳に、石榴のように熟れた唇、柳のような眉、程よく高い鼻。神様が丹精込めて創造したパーツ達は、絶妙なバランスで顔に配置されており、妃帥ちゃん達との血の繋がりを感じる顔貌ではあるけれど。

 ただ、獅帥君がどっちかと言うと女性的なのに対して、匡獅さんは男性的って言うのか。

 着ているスーツとか、着けている時計とか、指輪がそう見せているのかなあ…兎に角あんまり2人の親みたいに感じないんだよね何か。
 

「可愛いなあ。もう少し若ければ口説いている所だ」

「そ、そう言って貰えて光栄です」

「お父様セクハラよ」