『じゃあアップデート出来たところで確認するんですけど、そこの執事服の人は貴方のシンカンですか?』
『…違うわ』
『シンカンは?』
『いないわ』
『腐っても天條なのに?』
『私が望まなかったから』
って言っていたけれど、じゃあカズミさんの立場って?
獅帥君のシンカン達とされる木野島君達は、カズミさんを空気の様に扱っている感じがするし、本人もその事をどうとも思っていない様に見える。
“見える”ってだけでカズミさんがどう思っているのかなんて分からないけれど、良いなんて流石に思えないだろう、それとも慣れ過ぎて何も感じていないのか。
妃帥ちゃん達と関わる様になってから、こう言う何とも言えないモヤっとしたものが増えた気がする。決して妃帥ちゃん達のせいでは無いんだけれどさ。
海の中で足首に錘を少しずつ増やされていって、徐々に息がし辛くされている気分にさせられている感覚と言えばいいのか…。
その時、
「いやあすまないすまない。遅れてしまい申し訳ないな」
聞き取りやすいハッキリとした言葉が、煌びやかな食堂に響き渡る。
獅帥君が立ちあがろうとして「ああ、座っていてくれ」と、現れたスーツ姿の男が止めた。
「まだ始まってないかな」
獅帥君と話をしていた執事服の男の人が、長机の上座とも言える場所の椅子を引き、ネクタイを緩めながら男は堂々と座る。



