過つは彼の性、許すは我の心 壱



 キラキラする…。この家は幾つこんな所があるんだろう。

 室内に入れば頭上に煌めくシャンデリアの光が私達に降り注ぎ、感覚的にクラクラしてくる。

 入って1番初めに目にするのは、夏場の為に稼働していない大きな暖炉と、大きな長机。机上には机を彩る様に並べられた燭台やお皿、銀食器が等間隔で並べられた椅子の前に置かれていた。

 これから順番に運ばれる食事が揃えば、ある日の食堂なんてタイトルの絵画が完成する事だろう。


「父は?」

「それが仕事が押していまして…」


 夢心地で辺りを見回す私の傍で、獅帥君はカズミさんとは違って執事服の良く似合った壮年の男性に声を掛けている。

 どうやらまだ妃帥ちゃんのお父さんは来られていないらしく、獅帥君は溜息を吐くと1つの椅子の前に私を誘導し、無言で椅子を引いた。


「…」

「ありがとう」


 妃帥ちゃんも凌久君に促されて椅子に座っており、男性面々も後に続いて座っていっ…あれ。


「カズミさんは?」

「カズミはいい」


 カズミさんは特に何とも思っていないのか、役目を終えて壁に沿う様に立っている。

 今更だけどカズミさんってどんな立場なんだろう。

 妃帥ちゃんのシンカン…って訳じゃないんだよね。

 ふと思い出すのは、惣倉君と妃帥ちゃんの会話。