過つは彼の性、許すは我の心 壱


「変だろう。親の前で妃帥の事は名前で呼んで、俺を苗字で呼ぶの」

「ああ…」


 あんまり意識してなかったけれど、基本的に天條君の事を名字で呼んでいたっけ。


「じゃあ天條…獅帥君も私の事をちゃんと名前で呼んでね」

「…」

「気付いている?私の事を名前を呼ばないといけない時、お前って言っているんだよ?女の子にお前って言うのって大分失礼だし」

「…気を付ける」

 
 うむうむ分かっているならよいのだ。(私が上から目線なのは置いておく)


「お兄様達、何やっているの?」

「ごめんごめん!獅帥君行くよ」


 先に行っていた妃帥ちゃん達が顔を覗かせているので、私達もさっさと着いて行った。

 カズミさんが先導するのに着いていくと、どうやら夕食会は本館で行われるらしい。

 降り立った本館は先ほどの別館より人の気配と視線もやはり多かったが、それよりも衝撃的だった事が。


「車乗るなんて思わなかった…」

「綴達は私達の所に来る時に車で来なかったの?」

「うん、お散歩がてら案内してくれた感じだったのかな。普通は車使って来るもんなの?」

「そうよ。外に出る時はそのまま車に乗って出る場合もあるくらいなのよ」

「へえ…」


 そう衝撃だった。

 敷地内を車で移動するなんて、今後2度とない体験かも。