過つは彼の性、許すは我の心 壱



 本当に困っている時は必ず気付いてくれるし、助けてくれる。

 天條君のこう言う部分を見ていると、やっぱりくすぐったく感じる。

 ここに来てから散々怖い話を聞かされた後だし、特にこの家の象徴たる彼の、人らしい姿を見ると余計に胸が暖かくなる心地だった。


………よし。


「大丈夫」


 未だ心配気に私を見つめる天條君に、ニッコリと微笑む。

 そして、


「天條君が傍に居てくれるから大丈夫だよ」


 それに凌久君も妃帥ちゃん達もいるしね。と心の中に付け加えておく。

 頼ってばかりは駄目だよね私も強くならなきゃ。

 いっその事、惣倉君に護身術の教えを請おうか。私も鉄扉を吹っ飛ばせるぐらい強くなれ…駄目だ想像が付かない、筋肉モリモリになった自分になっても出来る気がしなかった。

 どう鍛えたらああなるんだろう、今度聞いてみよう。


「行こう天條君」


 絶対に今考える必要がない事を考えながら、部屋を出た妃帥ちゃん達に続こうと歩こうとしたら、エスコートされている側の腕に力が籠って足が止まる。


「天條君?」

「…いや」


 私の声にハッとした天條君は「行こう」と言って、漸く歩き始めた。何だかボーッとしている感じだったけれど、大丈夫かなと少し心配になる。


「獅帥でいい」

「へ」