本当に困っている時は必ず気付いてくれるし、助けてくれる。
天條君のこう言う部分を見ていると、やっぱりくすぐったく感じる。
ここに来てから散々怖い話を聞かされた後だし、特にこの家の象徴たる彼の、人らしい姿を見ると余計に胸が暖かくなる心地だった。
………よし。
「大丈夫」
未だ心配気に私を見つめる天條君に、ニッコリと微笑む。
そして、
「天條君が傍に居てくれるから大丈夫だよ」
それに凌久君も妃帥ちゃん達もいるしね。と心の中に付け加えておく。
頼ってばかりは駄目だよね私も強くならなきゃ。
いっその事、惣倉君に護身術の教えを請おうか。私も鉄扉を吹っ飛ばせるぐらい強くなれ…駄目だ想像が付かない、筋肉モリモリになった自分になっても出来る気がしなかった。
どう鍛えたらああなるんだろう、今度聞いてみよう。
「行こう天條君」
絶対に今考える必要がない事を考えながら、部屋を出た妃帥ちゃん達に続こうと歩こうとしたら、エスコートされている側の腕に力が籠って足が止まる。
「天條君?」
「…いや」
私の声にハッとした天條君は「行こう」と言って、漸く歩き始めた。何だかボーッとしている感じだったけれど、大丈夫かなと少し心配になる。
「獅帥でいい」
「へ」



