「私としては綴が私のせいで嫌な目に合わせられるのはこれ以上避けたいし、貴方もそうでしょう。その点、お兄様が目を掛けているって思われれば多少は盾になるわ」
「でも、2人は…」
私だけ守られるのは、私としては良くないんですがそれは…。
その私の思いに妃帥ちゃんは、
「綴。この中で1番何かあった時に身を守る事が出来ないのは貴方なのよ?」
ご尤もな意見で叩き伏せて来る。
凌久君は「俺は…慣れてるしな。妃帥はそこの兄さんが守ってくれるんだろう」とカズミさんを見ながら、妃帥ちゃんの意見に肯定の意を示した。
「お嬢様の事はお任せ下さい」
カズミさんは恭しく礼をして答える。
後は…。
「ーーー分かった」
皆んなの視線を注がれた天條君は、私に近付いて腕を差し出す。
「ごめんね、天條君。よろしくお願いします」
「別に構わない」
前では妃帥ちゃんが凌久君の腕に自分の腕を絡めて、仕事兼談話室の扉を開けているカズミさんについて行く。
慌てて自分の腕に天條君の腕を絡めるけれど、エスコートなんてされた事ないから分からなくって、ぎここちない感じになる。
しかも緊張して来た、大丈夫か私。
そんな私に、
「…大丈夫か?」
覗き込む様に私を見下ろす天條君が声を掛けてくれた。
こう言う時は優しいんだよね天條君。



