この家の常識と自分の常識のかけ離れている事に、知れば知る程まるで山頂の見えない山を登らされている様な徒労感を覚える。
しきたりや掟、ルールって人を守る為のものの筈なのに、その枠で生きている人達が少しずつ苦しめられていくそれらに守る価値があるの?
後世を苦しめる様なものなら勝手にはいやめ!なんて出来ないものなのか。
そもそもそれを続ける理由は何?
それこそ何の為に?
「お兄様、お待たせ」
ーーーもしかして妃帥ちゃんにもそれは分からないのかも知れない。
「時間に遅れる」
「いいじゃない、お父様だって許してくれるわよ」
妃帥ちゃんは先程話した内容を忘れたかの様に、天條君に話し掛けている。
うん、私も一旦は忘れよう。
ドアを開けた先にはラフな格好から正装な格好に身を包んだ2人が待ち構えていた。
「…いいなあ」
凌久君は私を見て、丸眼鏡の奥の瞳を少しだけ見開かせる。
「…さっきも可愛かったけど、やっぱしつづ可愛いなあ」
「えへへありがとう」
カズミさんと妃帥ちゃんのおかげだけど、褒められると嬉しいもんだよね。
そう言う凌久君も、ジャケット、シャツ、靴にと所謂スマートカジュアルな服装になっており、カッコいい人は何着ても似合っているを体現している。無論、天條君もは目が潰れそうな程輝いている。
凌久君が思わずと言った風に、



