「やっやっばい!」
やんごとなき人達の集まりに、この格好って駄目じゃない?
そんな夕食会なんて聞いてないから準備も何もしていないよ!
ぎゃああー!とムンクの叫びの様なポーズを取る私に、妃帥ちゃんが。
「大丈夫よ綴。ここが何処だか忘れた?」
「え?」
ふふんと妃帥ちゃんが自信ありげに笑う。超可愛い。
「はいカズミと綴以外は出てって頂戴」
「はーい俺も持って来てないでーす」
「貴方はお兄様から借りて」
「えー」
「はいはい出て行って」
同じだったらしい凌久君は、文句を言いながら天條君に着いていき、天條君の部屋へと帰って行く。
妃帥ちゃんはくるりと私の方を向く。
向く時に赤い着物が宙でヒラリと舞う。
まるで水中で金魚が泳いでいるみたいに綺麗で、
「じゃあ綴。今も可愛いいけど、もっと可愛くなりましょうね」
悪戯げに微笑んだ妃帥ちゃんが最高に可愛いと思ったのが、これから怒涛の勢いで行われる唐堂綴変身大作戦!前の、最後の記憶だった。



