過つは彼の性、許すは我の心 壱




「やっやっばい!」


 やんごとなき人達の集まりに、この格好って駄目じゃない?

 そんな夕食会なんて聞いてないから準備も何もしていないよ!

 ぎゃああー!とムンクの叫びの様なポーズを取る私に、妃帥ちゃんが。


「大丈夫よ綴。ここが何処だか忘れた?」

「え?」


 ふふんと妃帥ちゃんが自信ありげに笑う。超可愛い。


「はいカズミと綴以外は出てって頂戴」

「はーい俺も持って来てないでーす」

「貴方はお兄様から借りて」

「えー」

「はいはい出て行って」


 同じだったらしい凌久君は、文句を言いながら天條君に着いていき、天條君の部屋へと帰って行く。

 妃帥ちゃんはくるりと私の方を向く。

 向く時に赤い着物が宙でヒラリと舞う。

 まるで水中で金魚が泳いでいるみたいに綺麗で、


「じゃあ綴。今も可愛いいけど、もっと可愛くなりましょうね」


 悪戯げに微笑んだ妃帥ちゃんが最高に可愛いと思ったのが、これから怒涛の勢いで行われる唐堂綴変身大作戦!前の、最後の記憶だった。