確かにあの子が目の前にいるのかと思ったし、キッカケはそうだった。
でも短い付き合いで、何で妃帥ちゃんに惹かれたのか。あの子とはまた別の理由で惹かれたと言う事を、言葉には出来ないけれど、分かってはいるつもり。
「綴?」
「…」
ただ。
私が今そう言った所で妃帥ちゃんには伝わらないだろう。
まだ私達の間には埋められる思い出も、過去もないから。
だから、未来の妃帥ちゃんに伝われば良いな程度に。
「待ってて妃帥ちゃん。私頑張るよ」
「?」
「ううん、やっぱり妃帥ちゃん可愛いなって」
一緒に首を傾げながら微笑んで誤魔化す。
妃帥ちゃんからすれば、今の私は不思議ちゃんだけだろうけど、いつか妃帥ちゃんが、私にもその内を吐露しても良いと思える様な人になる。
うん、私の今後の目標にしよう。
「お二人さーんそろそろ2人の時間はやめにしいひんか?」
「お嬢様…そろそろ夕食会の準備が、」
凌久君とカズミさんの声にハッとする。
夕食会?とはなんぞやと思っていれば妃帥ちゃんが「綴言ったじゃない、お父様と会ってもらうって」と、とんでもない発言をぶちかまされた。
そ、そう言えば、天條君が
『此方の不手際でお前に迷惑を掛けているし、父からお前に直接謝罪したいと言っているから、気を遣わなくなていい』
言っていた気がする。



