過つは彼の性、許すは我の心 壱



 2人っきりじゃないよね!?って言う意味で聞いてみたけれど。


「カズミはこの隣の部屋よ」

「えー…だからカズミさんカチャリ…やめて!?」


 もう!私が妃帥ちゃんに如何わしい事する前提で警戒するのやめてよね!と大憤慨でカズミさんに抗議しながら、ごほんと咳払い。


「妃帥ちゃん」

「何かしら?」

「妃帥ちゃん、妃帥ちゃんは可愛い」

「?」


 首まで傾げて可愛いぃ…じゃなくって、


「だから、もっと自分を大事にしよう」

「何で私が可愛いのと、自分を大事にする事が繋がるのかしら?」

「わ、私は妃帥ちゃんの事大好きだし、大事にしたいからへ、変な事しないって約束出来るけど、妃帥ちゃんの事をただ可愛いって思う人は変な事するかもしれないから、気を付けないと」


 前から思っていたけれど、妃帥ちゃんって聡いし賢いけれど、自分の事は大分いい加減に扱っている気がする。

 まるで、自分はどうなっても構わないって思っているからこそ、他人にも自分にも手厳しくしている様に見えてしまう。

 そう話すと初めはキョトンとしていた妃帥ちゃんは、次第に皮肉気に口角を上げて、スッと片手で顔の左側がよく見える様に掻き上げた。


「こんな跡あってそんな気を起こす人間なんているのかしら」


 言い方には棘と自虐が含まれ、見上げる瞳には私への憐憫を込める。