「…お兄様これぐらいでいいのよ、褒めるのって」
カズミさんの言葉に私は変じゃなかったのかと安心した。
一方で駄目出しされた獅帥君は不可解そうな顔をしていて、イマイチ言われた理由を分かっていないらしい。やれやれ生粋のモテモテボーイはどこいった。
「天條君、こう言う時は嘘でも女の子は褒めておくものだよ」
「…」
「お兄様、綴の言う通りよ。別に有象無象を褒めろなんて言わないけど、私の綴ぐらいはちゃんと似合っているんだから褒めなさい」
「…」
「もう…すぐ黙る。何でパーティーの時とかは平気で褒めたり出来るのに、こう言う時は褒めたり出来ないのかしら」
「家庭では駄目な親父みたいやな」
凌久君の言葉にああ…仕事はバリバリ出来るけど、家庭ではどう家族と接していいのか分からないから、取り敢えず黙っておくお父さん的な奴ね、と納得する。
しかし、想像すると、
「ふふっ…」
「綴どうしたの?」
「いや天條君がちゃぶ台の前で胡座かいて、自分の子供達と何て話していいのか分からないから、ご飯黙々と食べている所想像しちゃって…ふふ」
「…ヤバいなあそれ想像すると」
私と凌久君が肩を震わせながら笑い始めると、吹き出す様な笑いが聞こえてパッとそっちを見る。
「申し訳ありません…その獅帥様の顔が、」



