天條君に続いて登って着いた階は、赤い濃厚な絨毯の敷かれた廊下と、値段不明の骨董品達が私達をお出迎いしてくれる。
「…」
「…」
四葉さんの様にこの家の豆知識?みたいなのは話さずに、淡々と天條君は歩いていく。
私は改めて変な動きをして物を怖さない様に、彼の後を慎重に着いていき、
「ぶっ」
「着いたぞ」
知らない内に止まっていた天條君の広い背に鼻をぶつけた。
「つづ大丈夫か?」
心配してくれる凌久君と何やってんだと見下ろす天條君の視線に、恥ずかしいぃと思いながら「平気」と言って居住いを正す。
よく見れば入り口と同じくらい立派な扉の前で止まっていて、天條君は「ここは俺の私室だ」と言って扉を開け放つ。
「ふあ…」
さっきの応接室みたいな場所も綺麗だったけど、ここもすっごく綺麗…。
まず目に入るのが、大きなロココ調のローテブルと両脇に置かれたロングソファー、少し離れた間隔に1人用のマボカニーの高価そうな机と椅子。それらをアンティークな物からアールデコ調な家具達が囲い、見事な調和でレイアウトされていた。
部屋から見える窓の外の景色は言わずもがな。溜息の出る美しく手入れされたお庭と遠目に母屋と思われる建物まで見えた。
………ここは私の生まれ育った国なのだろうか。



