「気にしないなら言っても大丈夫だと思うけど、もし不安だったら私も一緒に言うから」
そんなに怖い人なの?ヤのつく人なの?
適当に返事してしまったせいで、清維はそのまま話を進めていく。
「怖そうに見えるけど噂ほどじゃないのよ」
「へ、へえ…」
知りませんでしたー!テヘッ!と言いづらくなっちゃったよ。
「家が家だから怖がられることも多いけど、親しい人には優しいところもあるの…」
清維の白い頬が少しだけ朱を帯びる。
何となし庇う感じなのは何故…?おや。
ピーン!と頭の中で何かが閃いた。
「ふんふん優しいところが好きっと」
「そう優しくって、」
清維のバラバラと持っていた本が廊下に落ちて行く。
「…」
「…」
ハッとなった清維は慌てて本を拾い上げて「ち、違うわ!幼馴染だからちょっと贔屓目に見ちゃってるだけで…」とワタワタとしている。あら可愛い。
「もう揶揄わないで」
「ふはは!ごめんごめん」
プンプンしながら一歩先に行く清に慌ててついていく。
スーパー美少女清維が好きになる男ねえ…。
まあ同じクラスだから嫌でも会うことあるだろうし、後で他の友達に聞こう。
そういえば幼馴染か。
最近話ししたなあ。
『可愛いわ、綴』
あの日のことを思い出す。



