過つは彼の性、許すは我の心 壱


「四葉さん案内ありがとうございました」


 変な四葉さんじゃない事に胸を撫で下ろしながら、私は感謝を伝え、


「此方こそ綴様と言う光明に出会えた事心から感謝致します」


 駄目だ、何も戻っていなかった。

 キラッキラな瞳で私を見つめる四葉さんに、タジタジモード綴復活。


「綴様。先程話した決意に嘘偽りはありません」

「あ、はい…」

「お困りと事があればいつでもお声を掛けてくださいね」

「はあ…」

 
 私は口元を引き攣らせながら「またご機嫌よう…」と適当にあしらいながら、2人を追って中に入る。


「綴様、」


 扉がギーっと音を立てて閉まる瞬間、声が聞こえて彼女を振り返る。その表情は固く何も読み取れないが、うっとりする様な口唇が言葉を紡ぐ。

 
「貴方はこの家に差した光。どうか…お気を付けて」


 何て言ったの?

 殆ど聞こえず、バタンと閉まる両扉。


「行くぞ」

「あ、うん待って」


 今度また聞こうと思って私は、大慌てで天條君の後に続く。

 ま、いっかと思って今度四葉さんに会った時に聞いてみよう…って言って思い出さないパターンになった。

 案の定、またまた美しい文化遺産とも呼べる螺旋階段を登りながら、周りの景色に感動を覚えてさっさと忘れた。


ーーーだって、聞いても聞いてなくても、私の運命は決まっていたのだから。