「申し訳ありません!綴様!」
あわあわと私の手を離した四葉さんに「いえ…大丈夫です」と自分の手を摩りながら一歩下がる。
眉を八の字にして「本当に申し訳ありません綴様…」とシュンとされてしまうと、もう「い、いいんですよほら別に折れたわけではないので」とこっちが気を使う事になった。
私の必死な大丈夫アピールにホッとしてくれた四葉さん。
何か疲れた…。
「大丈夫かつづ」
「うんまあ」
もっと早くに助けてくれればね、と凌久君にお門違いの恨みを持ったが、
「手握りながら歩こうか?」
「…藪から棒に何?」
「痛い部分を摩って貰うと痛うのうなるって言うし」
「…本当の所は?」
「つづと手ぇ握りたい」
凌久君の脱力する様な言い様に呆れた。
「…もう行きましょう、天條君達長い事に待たせてしまっているので」
先を促しながら、スルーしてやった。
「つづ怒んなって」
「綴様お待ちを」
凌久君は本当に楽しそうに、四葉さんは大真面目に困りながら私の後を追って来る。
もう早く天條君達に会いたい。
どっと疲れながら気持ち足早になって、廊下を只管歩く機械になる事に努めた。
屋敷の案内をあらかた終えた後、外へと出て数分歩いて着いたそこは、
「此方がオオミカ様方が暮らす別館となります」
「ほへ…」
やっぱり見事な造りの建物だった。
大きな洋館こと本館から少し離れた場所に位置する別館。



