過つは彼の性、許すは我の心 壱



「申し訳ありません!綴様!」


 あわあわと私の手を離した四葉さんに「いえ…大丈夫です」と自分の手を摩りながら一歩下がる。

 眉を八の字にして「本当に申し訳ありません綴様…」とシュンとされてしまうと、もう「い、いいんですよほら別に折れたわけではないので」とこっちが気を使う事になった。

 私の必死な大丈夫アピールにホッとしてくれた四葉さん。

 何か疲れた…。


「大丈夫かつづ」

「うんまあ」


 もっと早くに助けてくれればね、と凌久君にお門違いの恨みを持ったが、


「手握りながら歩こうか?」

「…藪から棒に何?」

「痛い部分を摩って貰うと痛うのうなるって言うし」

「…本当の所は?」

「つづと手ぇ握りたい」


 凌久君の脱力する様な言い様に呆れた。


「…もう行きましょう、天條君達長い事に待たせてしまっているので」


 先を促しながら、スルーしてやった。


「つづ怒んなって」

「綴様お待ちを」


 凌久君は本当に楽しそうに、四葉さんは大真面目に困りながら私の後を追って来る。


 もう早く天條君達に会いたい。

 どっと疲れながら気持ち足早になって、廊下を只管歩く機械になる事に努めた。

 
 屋敷の案内をあらかた終えた後、外へと出て数分歩いて着いたそこは、


「此方がオオミカ様方が暮らす別館となります」

「ほへ…」


 やっぱり見事な造りの建物だった。

 大きな洋館こと本館から少し離れた場所に位置する別館。