嫌味とも言えない真っ直ぐな物言いに歯軋りしそうな天女目富儒。内心笑いそうになるが堪える。
笑ったらそれこそ品が無いし。
「申し訳ありません、お名前をお間違いするとは」
「お祖母様」
「富儒さん、黙りなさい」
「っ」
流石ご当主は引き際を分かっているのか、孫の醜態を広げない様に早々にー引っ込めた。
「どうやらあの…ミケ様は勝気でいらっしゃる」
あのね。
「妃帥ちゃんの事ですね」
名前で呼びなさいよとオブラートに伝えれば、
「ええ、いつもこうやってお兄様の足を引っ張りなさる」
頑として妃帥ちゃんの名前を言わない。序でに私の名前を言わないらしい。
ああ困った困ったと言う天女目春日。
この人、私も妃帥ちゃんですら認める気ないのか。
………こっちも気を使う必要ないよね、もう。
「そうですね。これ以上皆様のお仕事の邪魔をしてはいけないので、私は失礼致しますね。オオミカ様達が待っていますから」
貴方方の敬い奉るオオミカ様が私を待っている。
それを分かりやすくお伝えすれば…うわあ怖い。
能面みたいな表情なのに、明らかに怒気を感じさせる天女目春日。恐怖を煽られ、ごくりと唾を飲み込むが、なるほどとも思った。
天女目富儒の痛い部分はオオミカ様か。



