過つは彼の性、許すは我の心 壱



 四葉さんの話で言えば、本来ならミケって決まった時点で、当主として教育の為に動くべきだったのに、いつまでも連絡もしなければ、会いにも来なかった。

 それって舐めているって事でしょう?

 そう暗に伝えて見れば、能面の様な表情を変えなかったが、富儒と呼ばれた着物美女が代わりにと答える。


「ええ、お祖母様はお忙しいお方です。瑣末ごと(・・・)でお手を煩わせる訳には行きませんわ」


 タップリと嫌味と言う名の毒を大層孕ませた言葉。

 それにニッコリと微笑みながら、


「じゃあ富儒さんはご存知だったんですね。瑣末ごと(・・・)である私の事を。知っていたのに当主に伝えなかったのは職務怠慢では?」


 首まで傾げながら言えば「な、何を言って、」と天女目富儒の口角が震える。

 て言うか、こんな小娘に言い返されている時点で大した事ない。

 私のお祖母ちゃんが生きていれば、鼻で笑うぐらいの小物っぷりだ。


「大丈夫ですよ。獅帥君にも妃帥ちゃんにも黙ってあげます。これから一緒にお傍に仕える中ですもの」


 おほほ…と手を頬に当てて言えば、見るからに血管ブッチしそうな富儒さんと眉をピクリどころか跳ね上げた天女目春日。

 おうおう怒っていらっしゃる。


「ああでも直接のお仕えするのは、私と凌久君だけですね。どうか遠く(・・・)からお仕え下さいね、富儒さん」

「っ…!」


 私は近いけど貴方達は遠い。