過つは彼の性、許すは我の心 壱


 仕方ないんだけどさ、もう1人の日直どうしたんだよ。クラス替え直後もいなかったけど、事件以降も日直どころかクラスにも来てないとか言ってたし、どういうこっちゃ。


「そう怒らないで唐堂さん」

「でも…」


 くすくすと笑って私の手伝いをしてくれる隣のワンレン美少女は、水城みなしろさん。

 お家は歴史のある名家であり、水城さんはそこのお嬢様。

 楚楚として上品な雰囲気もさることながら、頭も良くって更に面倒見も良いときている。

 しかも個性的クラスを纏め上げる学級委員でもあり、先生からの信頼も厚いスーパー美少女。

 属性盛り過ぎじゃない?1設定ぐらい欲しい、切実に。


「ていうか綴でいいよ」

「本当?じゃあ綴も清維きよいって呼んで?」

「了解、よろしくね清維」

「うんよろしく」


 ふふっと笑う清は笑い方も上品。私ならガハハだな。


「…それにしても今度日直の人にちゃんと言わなきゃ」


 そうそう、ご多忙の清維が手伝わないといけないなんて、私の相方(日直当番)は何しているのかね。

 私の言葉に物事をハッキリと言いそうな清維が、


「んー…そうね」


 妙に口篭った。

 え、そんなにヤバい人なの?


「綴は…あんまり関わったことないんだっけ?」

「?関わりって?」

「ほら、噂とか聞かない?」

「あー噂」


 知ったか振りするが、頭にはハテナマークが沢山。