過つは彼の性、許すは我の心 壱


 四葉さんの後を追って、天條君達の元へと向かっている時。

 非常に和やかな雰囲気の中で廊下を歩いていたら、向こうから大名行列の様に歩いて来た着物美女集団が現れた。

 ピタリと四葉さんは止まり、先頭に立つ老女にお辞儀をするが、老女は睥睨するだけで答えようとしなかった。

 後ろで何だこの失礼な人って思っていると、するりと列からはみ出る様に女性が出て来た。


「あらまあ、四葉さん。今日はどうされたんですか?」

「…フクジュ様」


 フクジュと呼ばれた気持ち垂れ目の、口元の泣き黒子が特徴的な着物美人が現れた。


「後ろにいる方達は?」

以前(・・)もお話ししましたが、妃帥様のミケとシンカンとなられる方々です」

「そうでしったっけ?私ったら最近大事な事(・・・・)以外は忘れてしまうのよ」


 いやですわフクジュさん、でも私も聞いた気がしますけど忘れてしまったわ、あらあ…うふふ…と老女の後ろで笑い合う美女達。

 鈍い人でも絶対に分かる。

 全てワザ(・・)となんだと言う事を。

 さっきの話しだけでもお腹一杯なのに、これからこの美女軍団から嫌味のフルコースを貰うのかと思うと辟易する。


「ご紹介はしてくださらないのかしら?」

「…」


 後ろ姿だけでも溜息を吐きたそうな気配が伝わる四葉さんは、仕方なくと言った程で、私達を彼女らに見える様に脇に逸れた。