過つは彼の性、許すは我の心 壱


「…綴様。誤解されないで欲しいですが、ミケが現れることは私達にとっても良い事なんですよ」

「そうなんですか」

「はい。不思議な事でオオミカ様がミケを選ぶと、天から祝福を得たかの様に、良い事が沢山起きるんです」

「へえ」


 そうなんだあ…としか言えない事を言われた。

 四葉さんが更に「…信じられないと思いますが、傾きかけていた事業が持ち直したり、長らく授からなかった夫婦に子供が出来たり」と言葉を重ねた。イマイチ信じられない。まるで、


「謎の宗教勧誘みたいやな」

「し、凌久君」


 私でも言わなかったことを。

 でも入信したらこんな良い事ありますよって、言われている様に思ってしまった。

 それまである程度現実に沿っている気がしたけれど、急にファンタジーに舵切った感がある。


「…申し訳ありません。私の力不足で伝えられず」

「いえ…何かこっちもごめんなさい」


 四葉さんは項垂れて、私は意味も分からず取り敢えず謝った。


「…」

「…」


 時計の音だけが妙に響き渡る気まずい空気が訪れてしまう。

 頼む…誰かこの空気を壊してくれ…!(こう言う空気耐えられない)と祈っていれば、


 ーーーコンコン。


「はい」


 救いの手(さっきの感じの悪い人ではなかった)が扉を叩いてくれた。


「四葉様。そろそろお時間です」

「…まあもうこんな時間」