過つは彼の性、許すは我の心 壱


「仲立ちって?」


 聞き慣れないフレーズについ口が出てしまった。


「平たく言えば秘書が一番近いですかね」

「天條は自分で持つ会社の経営以外に、外部の関わりのあらへん所からも、どうか助言を頂きとう〜なんて請われることもあるしな」

「ただ助言を求めるだけなら良いのですけど、大きな力を求めるのは善人ばかりではありませんから」

「おっきな力の前では、例え善人やったとしても変わる事もあるしーな」

「そう言う時の防波堤となるのが、シンカンですね」


 はあはあ、ほうほう。

 2人の息の合った説明は、すんなりと頭に入ってくるので大変有り難い。

 善人でも変わる、防波堤…。

 全くの勘だけど、少し前に妃帥ちゃんと火渡君の間で起きた事柄は、もしかしてこの辺りにあるのかもしれないと思った。


「…こう言う言い方もアレなんですけど、シンカンってなると何か良いことがあるんですか?」


 洋直ちゃんが前に、


『そしたら烈の扱いが急にご両親より上の人?扱いみたいになってて、前みたいに接することも許されなかったし、烈も今みたいにピリピリし始めて…』


 って言ってたし、現代に置いて、暫く親元から子供を引き離すなんて幾ら天條とは言え、それ相応な理由じゃないと出来ないだろう。


「天條に選ばれただけで、意味があるんやで」

「選ばれる?」