それからは色々大変だった。
教員に、警察に、家族に。
怒涛の様に詰問されたが、一貫として暴漢に襲われた説を押して押しまくった。
で、事実となった。
多少の辻つも合わない私の供述だったが、あのモサイさんも話を合わせてくれたおかげでどうにかなったらしい。サンキューモサイさん。
しかし、流石金持ち学校。
平凡で社会的地位の低い人間より、優秀で社会的地位の高い人間を守る為なら手段は選ばないぜ。(少年漫画風)
まあ表沙汰にしても潰されるのは私の方だったろうしね。結果的に良し。
あーだこーだと憤慨する家族を宥めつつ、高校2年生の大事なクラス替え直後の貴重な時間を療養に費やした。
費やす中、姉小路先輩と会ってしんみりしたり、モサイさんに謝られたり、原因となったらしい天條君の家の人が来たり、療養と言う割にはそこそこ大変な療養ライフを送った。
そして、
「またか…」
今日も今日とて雑用ですよとほほ。
溜息を吐きながら本をヨイショと持ち直す。
あの事件から約1ヶ月ちょっと経って、現在6月上旬。
何だかんだ傷が化膿したりして入院が延びちゃって、桜の時期はとっくに過ぎ、紫陽花が咲き誇る季節になっていた。
療養後の久々のクラスは変わってなくてホッとはしたけど、いない間に日直まるまる飛ばしていたせいで、1週間単位で一気に日直の仕事が回ってきましたけどね。



