豊穣の神、海の神、冥界の神…それぞれに役目があり、何かしらのご利益を望んで信仰する者も少なくないだろう。
それなのに正体不明で、何の神様かも分からないのに信仰するって…。
私の問いに凌久君は皮肉げに、
「そこで獅帥達の出番」
口元に笑みを浮かべながら言った。
何で天條君達…と思ってふと、
『天條家に生まれた待望の嫡子。嫡子は天條家では特にアラヒトガミ扱いなんですよ、だからその神様の不況を買うなんてあってはならないんです』
惣倉君の言葉を思い出す。
「現人神?」
「そ」
「幾ら何でもそんなわけ、」
それじゃあまるで本当に彼等を神様だと思っているような。
確かに浮き世離れした美しさ持っているし、成績も殆どトップから外れたこともないし、10代の子供にしては強すぎる存在感を持っているけど。
そんな馬鹿なと続く私の言葉に、凌久君が「だよな、そやけどな」と凌久君は、糸目を更に細める。
それは蛇が愚鈍な獲物を見つめる時の様な目に似ていた。
「つづ知ってるか?アイツ等の不況を買うたと思われただけで、不況を買うた本人だけでのうて、その家族や親戚ごと不幸になること」
凌久君の言葉に目を瞬かせる。
「…犯罪を犯した加害者だけじゃなくて、その家族まで石投げられるみたいなこと?」
「理不尽だけどな」



