過つは彼の性、許すは我の心 壱



 豊穣の神、海の神、冥界の神…それぞれに役目があり、何かしらのご利益を望んで信仰する者も少なくないだろう。

 それなのに正体不明で、何の神様かも分からないのに信仰するって…。

 私の問いに凌久君は皮肉げに、


「そこで獅帥達の出番」
 

 口元に笑みを浮かべながら言った。

 何で天條君達…と思ってふと、


『天條家に生まれた待望の嫡子。嫡子は天條家では特にアラヒトガミ扱いなんですよ、だからその神様の不況を買うなんてあってはならないんです』
 

 惣倉君の言葉を思い出す。

 
「現人神?」

「そ」

「幾ら何でもそんなわけ、」

 
 それじゃあまるで本当に彼等を神様だと思っているような。

 確かに浮き世離れした美しさ持っているし、成績も殆どトップから外れたこともないし、10代の子供にしては強すぎる存在感を持っているけど。
 
 そんな馬鹿なと続く私の言葉に、凌久君が「だよな、そやけどな」と凌久君は、糸目を更に細める。

 それは蛇が愚鈍な獲物を見つめる時の様な目に似ていた。


「つづ知ってるか?アイツ等の不況を買うたと思われただけ(・・・・・)で、不況を買うた本人だけでのうて、その家族や親戚ごと不幸(・・)になること」


 凌久君の言葉に目を瞬かせる。


「…犯罪を犯した加害者だけじゃなくて、その家族まで石投げられるみたいなこと?」

「理不尽だけどな」