過つは彼の性、許すは我の心 壱



「オオミカミが正式な読み方なんですよね」

「はい」

「でも、オオミカ様って呼ぶんですよね」


 神様の名前を略称するのって罰当たりな気がするけど…。

 私の疑問に四葉さんは「そうですね…綴様は何か言葉を調べた時にこんな経験がありませんか?」と切り出した。


「昔に使われていた言葉が時代を追う事に意味が変わっていたり、言葉事態が原型を無くして別の言葉になっていたりするのを」


 なるほど。


 マジが真面目って意味だったとか、水菓子が今は和菓子とかゼリーの事を指すけど、昔は果実の事を指していたとか。

 今の話で言うと真面目がマジになったって言うのが近いのか。


「後は言葉本来の意味を隠して、内の結束力を高めたりーな」

「内?」

「今回の事で言えば一族内って意味ですね」


 凌久君は「もっと分かりやすく言うなら、」と付け加えた。


「仲間内でしか通用しいひん専門用語を使う事で仲間意識を高める、みたいな」

「友達同士で秘密を共有して連帯感を作るってこと?」

「そう」


 満足気に凌久君が頷いた。

 正解でヨシ!って思うと同時に、


「天條君達って本当に神様扱いなんですね…」


 その事実に変な虚脱感を覚えた。

 本物の神様って訳じゃないんだけど、知っている人かすれば彼等は神様って事だもんね。