過つは彼の性、許すは我の心 壱


「お可愛いらしいことで…凌久傍におりたなるのんが分かる」


 上品笑いに釘付けになっていると、聞き捨てならぬ言葉に耳を疑う。


「やろ」


 凌久と呼ばれた凌久君は何処か自慢げに笑う。

 いやいや待ちなさいって。


「もしかして…お知り合いで?」


 そう言った私に2人の視線が集中する。

 糸目、美形、あ。


「唐堂様をそっちのけにしてしまいましたね」

「つづ。このおねえ実は伯母で一時一緒に暮らしとってな」


 似ているんだこの2人…というか親戚かい!

 という私の心のツッコミは置いておいて。


「甥っ子ってこと?」

「そそう」

「私がもう少し若くって、凌久が小さな頃。一緒に暮らしていたんです」

「はあ…」


 初めて会った時の、凌久君の天女目さんに対するぞんざいな態度はそう言うことね。

 ただ何で初対面みたいな雰囲気出したんだ。


「一応ほら人の目もあるしーな。格式高い家は色々めんどかろう」

「そういうもん?」

「そういうもん」


 本当かよと思ったが、ほほ…と微笑む天女目さんを見て、まあそういうもんなのかと渋々納得することにした。


「と言うことで、唐堂様」

「はい」

「天女目さんではなく、四葉とお呼び下さい」

「え」

「凌久の言う格式の高い…天條家の様な家では、序列と言うものを大事にするものなのです」