主語を使えよ坊ちゃん!と言いたくなったが、
「妃帥が、」
「妃帥ちゃんがなんて!?」
天條君の言葉に前のめり食い付き、彼は半歩下がった。(何故?)
「夏休みに入るなら、遊びに来てはどうか、」
「ハイハイ!行きます!」
更に半歩下がる天條君を目の前にして、いよっしゃあ!とガッツポーズを取る。
「漸くやな。俺も行ってええんやろう?」
「ああ」
狂喜乱舞の私を尻目に、凌久君が天條君と話をしている。
「凌久君、お菓子とかどうする?おみや」
「あー…いらへんのとちがうか」
「いやいや失礼に当たるでしょう」
マナー違反なんて妃帥ちゃんのお父さんに知られたら、可愛い娘のパートナーに相応しくない!って言われちゃうでしょうが!と言えば。
「持って来なくていい。そもそも天女目に会う為のものだから気にしなくて良い」
「へ…でも」
「此方の不手際でお前に迷惑を掛けているし、父からお前に直接謝罪したいと言っているから、気を遣わなくなていい」
「え!?お父さん!?どうしよう急に紹介なんて…まだ日取りとか決めてないし、プロポーズとかまだ…あプロポーズはしてた」
「紹介じゃないし、日取りも決めなくていい」
天條君は至極嫌そうな顔をして。
「つづフルスロットルやな」
凌久君は私を見てホッコリしてそうだった。



