過つは彼の性、許すは我の心 壱



ーーーー数日前。

 折角の行事を楽しめなかった上に、警察の介入もあって、学校も暫くは自主学習という名の夏休みとなってしまった。

 しかも、日程の決まっていた期末テストがかなり繰り上げされて行われ(学生は阿鼻叫喚となった)テストの結果次第で、量の違う課題を出された直後、早々に夏休みに入らされた。

 学生は大量に出された課題をどう熟すかということに頭を悩ます羽目になり、帰省するものもいれば、余裕の人はるんるんで海外旅行へと行った。

 私も帰省どうしよっかなあ…何て考えながら、寮生達と談話室で課題を熟していた時に。


「天條君、いつも突然だね」

「何がだ?」

「いいけどさ別に」


 気配を察した他寮生は私からさっと離れてしまい、また私を中心にしたドーナッツ化現象が起きた。(今日はお連れ様達はいなかった)

 唯一前と違いがあるのは、


「お前も人の迷惑を考えんな」


 凌久君が傍にいること。

 ゆったりとした黒いロンTを着た凌久君は、ペンをくるくる回しながら呆れた様に言った。


「予定は」


 天條君は安定のシカトで、私に今後の予定を聞いて来る。

 君ねえ…と言いたくなるのを堪えて(話しが進まなくなるため)課題の量を見せる。


「見てよこの課題」

「じゃあいいな」

「何がよ」