過つは彼の性、許すは我の心 壱


「つづちゃんなんも知れへんのか?」

「え?」


 渚君はさっきの妃帥ちゃんとの話を引き摺ってはいないみたい(それは良かった)だけど、渚君の言っている事の意味が分からない。


「だってもう1時間?ぐらい経っているから、そろそろ後半戦…」

「アンタ、マジで何言っているの?」

「マサ言ってやるなよ。綴ちゃん倉庫にいたから放送聞こえなかったんだろう」

「放送?」


 火ノ宮君と木野島君が話している放送とは何ぞや。


「あの…先輩」

「どうしたの惣倉君」


 ハキハキと言い辛いことも言う惣倉君の口は、二の句を告げることはない。

 まるでやらかした内容を親に伝えようとする子供の様な姿。

 
「つづ」

「凌久君?」


 珍しい惣倉君を鑑賞していれば、凌久君が私の肩に手を置いた。

 少しだけ息を吸って、


「体育祭、中止になったぞ」


 とんでもないことを言った。


「え」

「学内にいた未成年が理由はどうであれ、暴行されたからな。警察も今後入るだろう」


 だんまりだった天條君が理由を話してくれた。

 そりゃあそうだよね、あはは…。


「…ってえええ!?」


 今更衝撃が来た。




 四苦八苦して準備をした体育祭、殆ど楽しむことも無く、いつの間にか終わってました。