「…は?別にビビってな、」
「俺は普通にビビった」
「楽!」
「だっておっかなかったよ海祇」
「…っあのさ、仮にもシンカンだよ僕ら」
「怖いもんは怖い」
反応からしてどうやら本当に2人ともビビったらしく、ホッとすればいいんだか何だか。
「それにしても渚が獅帥の妹に…くくっ」
「やかましいわ!そやさかいあほやった言うてるやろ!」
複雑な心境の中、いつもの2人のやりとりを見て漸く胸を落ち着けた。
同時に、
「でも、渚君が妃帥ちゃんのこと好きだったって言うのは意外じゃないかも」
と言えば渚君が「今はつづちゃん一筋や!」と慌てて訂正してくる。
「だってね、前の渚君が好きになるのが分かるから」
そう言うと、視界に赤い着物が舞い、ふわりと甘い匂いが届く。
「ひ、妃帥ちゃん!」
「…綴は何で分かるのかしら?」
妃帥ちゃんに抱き着かれて内心きゃー!すりすりしたーい!となったが「何が?」と問いかける。
「渚が私のこと好きになった理由」
上目遣いで見上げる妃帥ちゃんの可愛さと言ったらもう。
本能を理性でタコ殴りにしながら「ああそれね」と平静を装った。
「あ、あくまでも個人的考えなんだけど、」
「ええ」
いつの間にか皆の視線が私に注がれていてびっくりしたが、妃帥ちゃんに集中すればどうにかなる。



