過つは彼の性、許すは我の心 壱


 マリン系の、海を思い出す様な匂いがふわりと香る。

 後ろに大好きな人、前にも大好きな人。

 どっちも大好きだから、ドキドキがすっごいことになっています。(何だか敬語になっています)

 
「大丈夫。兄さんがいるの分かっていたし」

「そういう問題じゃ、」

「兄さん、家のことは私に任せて」

「か、」

「私1人でも平気。だから綴ちゃんの傍にいて」

「夏波…」


 夏波ちゃんの言葉に、もしかして渚君のお家も何かしらあるのかと今更になって思い至る。

 
「夏波ちゃんあの、」

「私達の意思は1つ。でしょう兄さん」

「…」

「それとも私が役目果たせないって思っているの?」

「思てへん」

「せやったら、迷うことはなんもあれへん」


 2人の間で交わされる謎の会話は、以前の天條君と妃帥ちゃんと似たものを感じた。

 ただ天條君達は殺伐としていて、お互い探っている様な冷たさがあったのに、


「ありがとうな、夏波」

「いーえ」


 渚君達の間には、お互いへの確かな信頼と暖かさを感じた。

 背後にいる渚君の顔は分からないけど、夏波ちゃんが笑っているのだからきっと笑っているんだろう

 海祇兄妹推せる…!と思っていたら、


「相変わらず兄妹仲がよろしいこと」


 妃帥ちゃんの皮肉が聞こえた。

 あれこの状態もしかして浮気か?しかも堂々と目の前でやってしまっている。

 まずいかこれ、