過つは彼の性、許すは我の心 壱


『ちゃうけど…まあ親戚連中らかするとそれよりもっと悪いってことなんやろうな』


 って言うぐらいお家との関係は良くないらしいし、今後シンカン?になったらお家とも関わることはあり得るし。

 惣倉君が話を進めた後に言うのもなんだけど、凌久君が嫌な思いをするのは…。

 
「つづ」


 俯いていた顔を上げた。

 彼の糸目が薄らと開かれていて、私を優しげに見下ろす。

 凌久君は私の一言だけで何のことを言っているのか、私の葛藤とか、全て分かってくれているみたいで、安心しろと言ってくれている様に感じた。


「俺もいつまでもこないなんじゃあかんて思てるんや」

「…うん」

「逆につづに機会貰うたさかい、お礼言わへんと」


 にっと笑う凌久君は気が重そうには見えない。

 どっちかと言うと晴れやかと言うか。


「おおきに、つづ」


 そう言う凌久君は楽しそうだった。

 私の周りの人は本当に優しい。


ーーーこれ以上言うのは凌久君に失礼だ。


「うん私こそありがとう。凌久君、意地悪された私に言ってね!全力で守るから」


 両手で拳を握って、力強く言った。

 凌久君が守ってくれるなら、私はそれ以外で凌久君を守れば良いってことだよね。

 よっしゃあ!頑張るぞ!と気合を入れれば、


「ふっは…つづに守って貰えるなんて光栄や」


 凌久君はからからと笑いながら、眩しそうに私を見つめた。