過つは彼の性、許すは我の心 壱



 お腹を抱えて笑い始めた惣倉君で、周囲もやや引き気味で見ている。


「ーーー何がおかしいのよ」


 不機嫌顔も麗しい妃帥ちゃんは、腕を組んで惣倉君に問いかけるが彼はなんのその。


「おかしい?だって?ふはははっ…先輩聞きました?」

「おかしいって単語は何も面白くないと思うけど、惣倉君マジで大丈夫?」

「はははっ…ははっー…。疲れたあ…」


 目尻の涙を拭って、呼吸を整えた惣倉君。


「俺が思っていた以上に切羽詰まっていたんだな。まあ…」


 惣倉君は天條君だけじゃなく、火ノ宮君や木野島君達を順繰りに見つめて。


これ(・・)じゃあ仕方ないですね」


 馬鹿にしているわけじゃないんだけど、ナチュラルに煽る惣倉君。

 詳しい事情は分からない私だが、あんにお前ら役立ってねえなと言っているのは分かる。きっと今清水君がいたら卒倒するだろうな、私もちょっと白目剥きたくなっているもの。


「惣倉がよく言う。そこの女が勝手に妃帥に引っ付いて、こっちも迷惑してるんだ」

「よせよマサっ」


 こういう時に食いついて来るのが火ノ宮君で、木野島君が窘める。木野島君大変だろうなと他人事ながら思ってしまった。


「迷惑?」


 言われた惣倉君はキョトンと年相応な顔で、火ノ宮君を見た。

 そして惣倉君はああとなって「奇遇ですね」と穏やかに微笑む。い、嫌な予感が。