「だって、」
チラリと天條君を見て、直ぐに妃帥ちゃんに視線を戻した。
その行動の意味を把握できずにいると、
「貴方は焦っている」
妃帥ちゃんの装甲が崩れた気がした。
「…私が何に焦っているって言うの?」
「深い理由まで分からない分からない、でも当たっていると思う」
「意味深ね、何が貴方如きに分かると言うのかしら」
不愉快さを言葉にも隠さなくなった妃帥ちゃん。
妃帥ちゃんのその態度に何かを確信した惣倉君は、穏やかな顔なのに口は弧を描かせ微笑む。
美しい嗜虐性のある微笑みにゾクリと背筋が震えた。
「俺は貴方達を揃って見たことがなかった。視界に入れるのも嫌だったから。でも初めて貴方達が、貴方が。可哀想に見えたよ。貴方の焦りは伝わらない、理解しようともしない。空っぽ。虚な器、貴方は、」
「ーーーやめて」
妃帥ちゃんの声が震えた。
雌雄を決したように見えた。
「妃帥…」
妃帥ちゃんは兄の助けを手を上げて制し「目的は何なの?」と惣倉君に問い掛けた。
「目的?」
「綴に近づいて、私達を殺す気?」
こ、殺す気!?殺す気って言った今!?
私が目をまん丸にしていれば、
「つ、惣倉君大丈夫?」
「ははははははっ…すいません先輩、天條に笑わせて貰うなんて思うわなくてはははっ…!」



